C言語の派生言語であるC++について、できることを詳しく知っている人は多くありません。これはC++という言語の難しさや、Javaなどのその他の言語の方がポピュラーであることなどからC++よりもその他の言語が優先されているという現状があります。
C言語と互換性もある派生言語のC++にはどのような要素があるのでしょうか。
今回はそんなC++について、できることやできないこと、C言語との違いや難易度、キャリアパスについて解説していきます。
✓ロボット制御技術に関して専門的に利用される
✓IoT技術の開発に積極的に採用される
✓ゲーム開発にもC++は利用されている
C++でできることの例
C++でできることは、画像処理やロボットの制御技術など、IoTなどに利用されています。これはC++がコンピューターが理解できる機械言語に非常に近いプログラムを生成できるため、高速動作が可能となることに由来しています。
実際にできることがどんなことなのかひとつずつ確認しましょう。
C++とOpenCVによる画像処理
C++と画像処理に必要なOpenCVというライブラリを用いることで、画像ファイルの処理が可能です。ここでいう処理というのは、いわゆる顔の位置を検出するなどの画像処理です。
カメラなどでも人間の顔の位置を特定してオートフォーカスすることが可能ですが、このような技術を個人の手で簡単に実装できてしまうのがC++言語の良いところでしょう。
案件例1. 画像処理アプリケーション開発
業務内容
画像処理アプリケーションの開発
・担当フェーズは基本設計~テスト
・アジャイルで開発
応募に必要なスキル
・C++での開発経験
・基本設計~テストまで1人称で対応できること
【歓迎スキル】
・組込系の開発経験
・OpenCVを用いた開発経験
・GithubやGitlabを用いたチーム開発経験
・PLC・シーケンサーを用いた通信の実装経験
・gRPCを用いた開発経験
報酬(月額)
~750,000円
※開発案件例は架空のものです。
ロボット制御技術に関して専門的に利用される
C++はロボットの制御技術に関して活発に利用されています。これはロボットに対して複雑な命令をプログラミングすることが可能であることからいわれています。
制御技術はロボットだけではなく、機械の制御でもこの性質を利用することができるため、機械工学、ロボット光学を習得する人にとってC++という言語は必須のプログラミング言語といえるでしょう。
案件例2.自動走行システム開発の案件
業務内容
仕様変更に柔軟に対応しつつ、
過去のソースがあるので、それを参考にしながら
改善+新仕様の実装作業
O/Rマッパー改造
<直近のスケジュール>
~8月:詳細設計&PG・単体テスト
~9月:結合テスト
応募に必要なスキル
・リスティング広告やディスプレイ広告などの運用型広告経験3年以上
・広告バナーなどのディレクション
・運用予算と実績管理
・クライアント報告資料の作成
【歓迎スキル】
C++の経験
C#(WPF)の経験
報酬(月額)
~550,000円
※開発案件例は架空のものです。
IoT技術の開発に積極的に採用される
IoT技術とは「モノのインターネット」と呼ばれるモノとインターネットをつなぐ技術のことです。例えばセンサーによって、気温や状態、動作をコントロールしたりモニタリングすることを可能にします。
特にフィードバックが必要な温度調節のような複雑な処理をセンサーなどを通して開発することに適しており、IoT技術の開発に対して積極的に採用されているのです。
案件例3. AIサービス保守・運用の案件
業務内容
・IoTのAI関連サービスの保守・運用
・希望があれば開発も可能
応募に必要なスキル
・システムの保守、運用経験1年以上
【歓迎スキル】
・C#、C++、Pythonのいずれかの言語にて開発経験
報酬(月額)
~550,000円
※開発案件例は架空のものです。
ゲーム開発にもC++は利用されている
C++はロボットの制御技術などができることから、複雑な命令をプログラミングすることが可能であると述べました。
これはゲーム開発にも転用が可能であり、ゲーム機の制御を行うソフトウェアなどにもC++は活用されているのです。
案件例4. ゲームプログラミングの案件
業務内容
・下記いずれかの業務に携わっていただきます。
-アクションプログラム
-プレイヤーキャラクターの挙動、コントロールの実装
-グラフィックプログラム
-AIプログラム
-UIプログラム
応募に必要なスキル
・C、C++言語によるゲームソフト制作の実務経験
【歓迎スキル】
・ゲームエンジン上でのゲームソフト制作の実務経験
・3DCG等、担当する分野についての知識
報酬(月額)
~700,000円
※開発案件例は架空のものです。
言語名 | 人気ランキング | 案件の数 | 案件平均単価 | 習得のしやすさ | 環境構築のしやすさ | できること |
C++ | 1 | ★★★★★ | 71万円 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | C++でできること |
C | 2 | ★★★★★ | 67万円 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | C言語でできること |
Python | 3 | ★★★★☆ | 77万円 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | Pythonでできること |
JavaScript | 4 | ★★★☆☆ | 72万円 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | JavaScriptでできること |
SQL | 5 | ★★★☆☆ | 65万円 | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | SQLでできること |
Java | 6 | ★★★☆☆ | 69万円 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | Javaでできること |
HTML/CSS | 7 | ★★★☆☆ | 70万円 | ★★★★★ | ★★★★★ | HTMLでできること CSSでできること |
PHP | 8 | ★★☆☆☆ | 72万円 | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | PHPでできること |
COBOL | 9 | ★★☆☆☆ | 61万円 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | COBOLでできること |
Ruby | 10 | ★★☆☆☆ | 80万円 | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | Rubyでできること |
Swift | 11 | ★☆☆☆☆ | 79万円 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | Swiftでできること |
C++でできないこと
C++という言語がプログラミングとしてできないことは基本的にないといえます。それほどにC++というのは完成度が高く、豊富な機能を実装しているといえます。
しかし言語的な観点からいえば、UI開発などの、視覚的な開発はC#などのようにドラッグアンドドロップなどではできません。そういった仕様的な面では、C++はUI開発ができないといえるでしょう。
C++とC言語との違いとは?
C++とC言語、その他CがつくものしてはC#などが存在していますが、C++とC言語の違いはC言語を拡張させた、進化系といえるプログラミング言語であるということです。
オブジェクト指向プログラミングが追加された強化版C言語
C言語にはないオブジェクト指向プログラミングを追加された言語がC++です。そのため、クラス・例外処理・ジェネリックなど、C言語に存在しない機能が追加されたいわば強化版C言語です。
そもそもC++という言語は、1972年に開発されたC言語に対して、C with ClassesというC++の前身となる言語が開発されたことから始まっています。その言語の改良が継続的に行われ、結果的に1983年にC++として名称が変更され世に送り出された言語となります。
C++の特徴や難易度
C++は高度な処理や高速処理を得意とする言語です。そのため言語しようが複雑であることやオブジェクト指向プログラミングなど、難易度の高い要素を多く含んでいます。
しかし、プログラムサイズが小さいことや、メモリ管理などの処理が可能なためC++を理解しているプログラマーは非常に優秀であるといえるでしょう。
より高度な処理を実現するための言語
C++はそもそもC言語という難易度の高い言語をより高度に拡張させオブジェクト指向プログラミングなどを搭載した高度な処理を実現するための言語です。
代わりに高負荷で複雑になりがちなシステムでさえも、実行し処理することが可能なプログラミング言語であると言えるでしょう。
高速な処理が可能で、さまざまなジャンルに利用できる
C++の利点のひとつは高速処理です。そもそも元となっているC言語の実行速度が非常に早いことから、その特徴を受け継いでいるといえます。
このような利点から、安定性や処理速度が必要な公共システムや大規模な基盤システムなどに利用されることが多い言語です。また、C言語でできることはC++でも可能なため、過去にC言語で行っていたさまざまなジャンルに利用することが可能です。
Javaよりも難易度が高く独学が難しい
C++はC言語の派生言語であると述べました。つまりC言語よりもさらに複雑であるといえます。C言語にはポインターという非常に難解な技術が存在しており、C言語を投げ出す人も少なくありません。
また、Javaで利用されているオブジェクト指向プログラミングもC++には搭載されています。そのため、C++の難易度はC言語やJavaよりも高い、独学が難しい難易度が高い言語であるといえるでしょう。
C++エンジニアの年収とキャリアパス
C++エンジニアはC言語の理解ができており、より高度なC++という言語を理解していることから、年収やキャリアパスなども当然高いと考えられ得るでしょう。
詳細について、ひとつずつ確認していきます。
C++エンジニアの平均年収は?
C++エンジニアの平均年収は500〜800万円と普通の言語と比較しても非常に高いといえます。これはC++によって開発が効率的になることや高速で動作させることが可能なC++を理解し取り扱えるプログラマーであるという証ともいえるでしょう。
また、大規模で複雑なシステムを扱うことや、基盤システムなどに利用されることもあるため、大企業でのシステムに利用される言語であるともいえます。
これらのことから、C++エンジニアの平均年収は高いといえるでしょう。
ゲーム開発やIoTの普及により今後も一定以上の需要が期待される
ゲーム開発をはじめとして、制御系システムなどIoTは今後も普及し続けます。そのためC++は必ず一定以上の需要が期待されるといえるでしょう。
また、C言語を習得し、C++を習得している人材であれば、Javaなどのオブジェクト指向プログラミングについても理解することが容易であるといえます。
今後DXなどによって、効率化を求められていく時代の中で高度なC++を習得した人材はエンジニアとして重宝されるでしょう。
C++を学習する方法とは
C++を学習するための方法について解説します。すでに述べたようにC++は非常に難易度が高い言語のため、特にC++を独学で始める人のことも考慮し、順に解説していきます。
C言語を学ぶことから始める
まずは元となるC言語を学ぶことから始めるのが良いでしょう。C言語を理解することでほとんどの言語を理解することができるとも言われているほど、C言語とはベーシックな言語です。
これはメモリ管理や、プログラムのあり方、メモリの使用率などアプリケーションの根幹的な部分を学習することができることからいわれています。
まずはC言語を理解することで、C++の足がかりを作ることが重要です。
Udemyを利用して体系的に学ぶ
Udemyには基礎的な講座があり、C++を体系的に学習することができます。当然UdemyにもC言語の学習講座があるため、先にそちらから着手しても構いません。
C++を学ぶには膨大な知識と時間を要します。そのため、時間をかけて理解をしていくことで、C++を理解することに繋げていくことが重要といえるでしょう。
Boostを利用してでC++への知見を高める
BoostとはC++の開発者のコミュニティや、そのコミュニティによって公開されているオープソースのソフトウェアライブラリのことを指しています。
つまり、BoostはC++の開発者たちの知見に触れることができるコミュニティであるといえるでしょう。アルゴリズムなどの考え方にも触れることができるため、C++のことをより深く理解したいという考えがある場合はコミュニティを閲覧することを心がけましょう。
独学が難しい場合はオンラインスクールを利用する
C++は、正直独学では難しい言語のひとつです。エンジニアとして学ぶときに、最初に学習しやすい言語からは離れているといえます。言語としてはすべての規範となるような重要な言語ではありますが、難易度は非常に高いというのが実際です。
そのため独学してみて、難しいと思ったらオンラインスクールの利用をためらわなくて良いといえます。技術的にしっかりと理解できなければ時間を無駄にしてしまいます。また、間違った扱いをすれば効率の悪いコードにつながるともいえるでしょう。
C++でできることまとめ
C++でできることの事例や、平均年収、言語の特徴から難易度について解説してきました。C++は高速に動作し高度な処理が可能な言語であり、今後も市場のなかで必要であり続ける言語といえるでしょう。
C言語を理解し、オブジェクト指向プログラミングを理解した先に、ようやくC++の理解を始めることができます。
企業などでは効率化のためにC++を扱える人材は非常に重要な人材であり、学習して習得することは非常に良い選択肢です。しかし独学での学習は非常に躓きやすいということを忘れないように学習することをおすすめします。もし効率的に学習したい場合はプログラミングスクールの利用を推奨します。ぜひスクールの内容をチェックしてみてください。